DXへの取組み方針

2025年5月28日現在

1.DX推進の経営方針及びビジネスモデルの方向性
<経営方針>
当社は、医療・介護・ヘルスケア分野におけるデジタル技術の進化を活用し、人々のQOL(生活の質)向上に貢献する製品・サービスを提供します。
認知症対策のための海馬測定M R I 検査サービス「BrainSuite」の提供、及び、中強度の運動の習慣化により、海馬育成につながる生活習慣改善のサポートをするヘルスケアアプリ「BrainUp」の開発等を通じて、社会課題の解決と事業成長の両立を目指します。
スタートアップ企業としての機動力を活かし、常に変化を恐れず、デジタル技術を活用した価値創造に挑戦して参ります。
<ビジネスモデルの方向性>
AI等のデジタルテクノロジー及びデータ利活用によるユーザー目線の製品を開発し、顧客ニーズ・動向を見極めた適切なサービスを市場に提供することで、医療機関・自治体・ユーザーといった当社ステークホルダーの支持獲得及び利益の最大化を目指します。

2.  DX戦略及び具体的な取組内容
当社は、認知症の早期発見・予防に貢献するMRIによる海馬測定サービスを提供しており、今後さらなるサービス価値の向上と医療現場・利用者双方の利便性向上を目指してDXを推進しています。
具体的には、以下の3つの柱を軸に中長期的な戦略を描いています。

①デジタルインフラの整備によるユーザー体験向上
・検査結果の経年変化が可視化できるダッシュボードの提供、ユーザーによる自己管理支援機能の拡充
・継続的なAIモデルの学習データ拡充により、同性・同年齢における海馬占有率の評価

②データ利活用と地域連携による社会的価値創出
・健康経営支援・自治体との連携による予防施策への提言・提供
・パートナー企業とのAPI連携による他サービスとの統合(脳ドック、生活習慣指導等)

③クラウドとセキュリティ基盤の高度化による信頼性確保
パーソナルヘルスデータの安全な保管と共有のため、クラウド上に暗号化されたデータストアを構築。

■ デジタル技術を用いた変革の対象
・業務運用プロセスの自動化・効率化
MRI撮像~画像処理~レポート生成の一連のプロセスを、AIとクラウド連携で効率化。属人的な判断を排除し、スピーディで安定した運用を実現。
・顧客接点・UXの再構築
ユーザーアプリ、マイページなどの非対面・非接触チャネルの拡充により、継続的なヘルスケアモニタリングを実現。
■ DX推進のために計画している主な取り組み
・デジタルインフラの整備によるユーザー体験向上
Webポータルやアプリによる予約・結果通知・アフターケア情報のワンストップ提供を目指す。また、LINEやチャットボット等を活用したユーザーサポートのデジタル対応を促進。
・画像解析AIエンジンの社内開発・継続的改良
実運用データをフィードバックとして取り入れ、解析精度・処理速度の向上を図る。
・クラウドベースのスケーラブルなデータ管理基盤構築
検査データを安全に管理し、事業拡大や地域連携への展開を容易にする情報基盤を構築。
・顧客向けポータルサイトの機能拡充
自動アドバイス生成、ライフログとの連携機能などを段階的に追加。
・予防医療に関心の高い企業・自治体との協業推進
健康経営や地域高齢者支援の文脈で、当社サービスのソリューションとしての導入を促進。
・社内のDX人材育成・クロスファンクション体制の整備
AI・クラウド・UX設計など多様な専門性を有する人材を社内外で確保・育成し、実行力の高い開発体制を整備。
これらの取り組みを通じて、B2B領域とB2C領域の双方で社会的価値の高いプロダクトを開発・提供し続けることを目指して参ります。

3.推進体制
当社ではDX推進責任者(Chief Digital Transformation Officer:CDXO)を代表取締役が兼務し、以下の体制で取り組んでいます。
・DX推進責任者(CDXO):代表取締役
・DX推進体制:データサイエンティスト、セキュリティに知見を持つメンバーが所属する情報セキュリティ部門を中心に、経営陣や社内医療分野有識者などと連携して、データ活用、生成AI、サイバーセキュリティといったITに関する最新の知識や問題点を共有する体制を構築。
・人材育成・確保:情報セキュリティ部門が中心となって、従業員全員がデジタル技術の活用とデータ分析のスキルを習得できるようにサポートを行っている。また、DX関連セミナーを積極的に従業員に案内・参加を促すことで、各人の知識向上を図るだけではなく、セミナーで得た知識を社内連携ツールで即時に他のメンバーに共有し、全社的なDX推進を図る。

4.IT資産・デジタル投資の状況
・業務をクラウドベースで運用(クラウドベースでのドキュメント共有、Slack等を用いた迅速なコミュニケーション、会計・労務管理などをクラウド化)
・データセキュリティ対応として保健医療福祉分野におけるPマークを取得
・社員向けIT・AI研修(生成AI活用やデータ分析スキル)の継続実施
・コスト削減及び業務効率化に資するシステム・ツールの積極的な利用検証・導入

5.定量的な目標とKPI
DXの成果を継続的に評価・改善するため、以下のKPIを設定し、年次レビューを行っています。
<​KPI項目>
新規プロダクト開発におけるPoC成功率
- 目標値:80%以上
- 評価時期:年1回
BrainSuite受診者数増加率
- 目標値:年10%以上
- 評価時期:四半期ごと
プロジェクトの開発期間短縮率
- 目標値:20%削減(従来比)
- 評価時期:半年ごと
社員のAIスキル習得率
- 目標値:全社員100%
- 評価時期:年1回

6.今後の展望
「ヘルスケア・介護・予防の現場で本当に役立つソリューションをつくる」という目的を果たすため、今後もDXを経営の中核と位置づけ、より良い社会の実現に貢献して参ります。

トップメッセージ

当社は、「科学的エビデンスに基づいた予防支援サービスの創出と進化」をDX戦略の基本方針のひとつに掲げ、AIとデジタル技術を活用した新たなヘルスケア体験の提供に取り組んでいます。
近年、認知症をはじめとする認知機能の低下リスクに対する関心が高まるなか、当社では、MRI画像を用いた海馬体積のAI解析サービスを展開しています。脳の健康状態を「見える化」することで、早期からの予防的アクションを促すこのサービスは、非医療機器として多くの方にご利用いただいています。
さらに現在、科学的に実証されている「中強度の運動」が海馬体積の維持・増加に寄与する点に着目し、運動習慣の定着を支援する「海馬育成アプリ」の開発を進めています。海馬測定データと日々の運動記録を連携し、ユーザー一人ひとりに最適な行動変容を促すことで、より深い予防的介入を可能にするサービスを目指しています。
当社のDXは、単なる業務のデジタル化にとどまりません。AI画像解析技術、クラウド型のデータ基盤、個人データの時系列分析などを活用し、「測る」から「育てる」へとつながる循環型の予防支援モデルを構築することが私たちの使命です。
また、今後は匿名化データを活用した地域傾向の分析や、自治体・企業との連携を通じた健康経営支援など、社会全体に広がる価値の提供にも注力して参ります。
私たちは、こうした取り組みを通じて、脳の健康と向き合う新たな習慣を社会に根付かせ、すべてのステークホルダーの皆さまからの信頼を高めるとともに、企業価値の持続的な向上を実現してまいります。
引き続き、皆さまのご支援を賜りますようお願い申し上げます。

株式会社CogSmart
代表取締役社長 樋口 彰

情報セキュリティ基本方針

制定日:2025年5月27日

株式会社CogSmart(以下、当社)は、当社が保有する情報資産を事故・災害・犯罪などの脅威から守り、お客様ならびに社会の信頼に応えるべく、以下の方針に基づき全社で情報セキュリティに取り組みます。

1.経営者の責任
当社は、経営者主導で組織的かつ継続的に情報セキュリティの改善・向上に努めます。

2.社内体制の整備
当社は、情報セキュリティの維持及び改善のために組織を設置し、本「情報セキュリティ基本方針」に基づく内部規程を整備することで、個人情報を含む全ての情報資産の取り扱いを正式に定めます。

3.従業員の取組み
当社の従業員は、情報セキュリティのために必要とされる知識、技術を習得し、情報セキュリティへの取り組みを確かなものにします。また、内部規程、ルール等への準拠性に対する内部監査を実施できる体制を整備していきます。

4.法令及び契約上の要求事項の遵守
当社は、情報セキュリティに関わる法令、規制、規範、契約上の義務を遵守するとともに、保健医療福祉分野のプライバシーマーク付与事業者として、お客様の期待に応えます。

5.違反及び事故への対応
当社は、情報セキュリティに関わる法令違反、契約違反及び事故が発生した場合には適切に対処し、再発防止に努めます。

6.業務委託先の管理体制強化
業務委託契約を締結する際には、業務委託先としての適格性を十分に審査します。また、これらのセキュリティレベルが適切に維持されていることを定期的に見直します。